裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
『そ、そうだね。ホテルって…どこの?』


『ロイヤルホテル』


嘘!


いつもの密会の場所。


『…あっ、そ、そうなんだ。ロイヤルホテル…』


『どうかした?具合でも悪いのか?』


『ううん。ホテルのディナーなんて久しぶりだから…』


『4人でどんな会話になるか、楽しみだよな』


楽しみなんかじゃない!


何で…どうして?


私達の大切な場所になぜ2人を招待したの?


いったいどうしたっていうのよ…


私には寛也さんの魂胆がわからない。


ビラや電話のことも抱えたままで、もうキャパオーバーだよ。


『じゃあ、先に寝るよ』


『うん、おやすみ。私もお風呂に入ったら寝るから』


『おやすみ』


1人になって、すぐに寛也さんにメールして聞いてはみたけど、


「楽しみにしてる、おやすみ」


としか返ってこなかった。


この状況に不安しかなかったけど、とにかく招待は受けないと余計に怪しまれるし…


私はまた現実逃避して、思考を停止させて眠りについた。
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