裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
いつもの秘密のホテルでのディナー。


4人での会話と食事が始まった。


嘘の笑顔を必死で作り、口に食べ物を運ぶけど味なんかしなかった。


こんな空間、本当の自分じゃいられなかった。


でも、本当の自分って…?


私はただの平凡で真面目な主婦。


浮気なんてしたことなくて、男性と手を繋いだことさえなかった。


それが本当の私だと思ってたのに。


今の自分は旦那を裏切り、好きな人と毎週のように抱き合ってる。


悪いことと良いことの区別もつかないくらいのめり込んで。


気がつけば…


誰かに不倫を気付かれ、脅され、怯えて。


私は、一気に幸せから地獄に叩き落とされた。


『この後、いつもの部屋に招待するからそこで飲もう』


いつものって、まさかあの部屋じゃないよね?


ちょっと本当に何を考えてるの?


心臓の音がどんどん激しくなっていく。
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