剣と涙〜悲しみの連鎖を断ち切って〜
静瑠がそう言って目を閉じて数秒後、再びそのアクアマリンの両目が開いた時、そこにいたのは瑠依だった。

「行こう、ライラ様のところへ」

瑠依がそう言うと二人は頷き、天界へと続いている泉へと向かった。



泉を通り抜けると、ライラは泉の近くで待っていた。だが、その顔はいつものような穏やかな笑みではなく、不安げなもので染まっている。

「ライラ様」

菫が声をかけると、ライラは三人の方へ顔を向ける。そして、いつものように笑みを浮かべた。

「三人とも、休みの時に呼び出してしまい、申し訳ありません」

「いえ……。それより、依頼というのはどんなものですか？」

瑠依が訊ねると、ライラは一枚の写真を取り出して三人に見せる。そこには、廃墟となった大きな屋敷が写っていた。

「このお屋敷に悪霊がいるの？」

紫乃の問いにライラは大きく頷く。だが、その顔はいつものように依頼を話す時とは違っていた。

「実はこのお屋敷には、今まで皆さんが戦ってきた悪霊とは比べ物にならないほど、強い力を持った悪霊が潜んでいるんです」
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