剣と涙〜悲しみの連鎖を断ち切って〜
「もう大丈夫。ありがとう、朧。それに葉月も、ありがとう」

「お、おう……。元気になったなら、さっさと除霊して帰るぞ!」

暗闇でもわかるほど葉月は顔を赤くし、頭をガシガシとかいている。それを見てつららたちがニヤけていると、「ちょっと待ちなよ」とキングが声をかけた。

「実は、強力な助っ人が来てくれてるんだ。さっさと終わらせて明日のエステに備えたいからね」

「助っ人?」

葉月が聞き返す。沙月も疑問に思っていた。霊能者でも連れて来たのだろうか、そう思っていた沙月たちは目の前に姿を見せた人物に驚く。

「こ、こんばんは」

「久しぶり!」

「今日はよろしく」

そこにいたのは、死神の瑠依と紫乃と菫だった。それぞれ武器を手にし、瑠依は緊張したような顔を見せ、紫乃はニコニコと笑い、菫は真剣そうな顔をしている。

「ちょうど、ボクたちも依頼でこの屋敷に来るよう言われてて……。一緒に悪霊を倒そう!」

菫が言い、嵐猫と金次郎は「どうしてこんな大事なことを黙っていたんだ!」とキングに詰め寄る。キングと嵐猫と金次郎が喧嘩を始める中、沙月と葉月は顔を見合わせて笑う。
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