全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
 クリスマスは魁が素敵なフレンチレストランを予約してくれていたので、そこでディナーをいただいた。


「メリークリスマス! これ、郁海に」


 シャンパンで乾杯をしたあと、魁が照れた笑みをたたえながら私にプレゼントを渡した。


「ありがとう。私も魁にプレゼントを用意したの。開けてみて?」


 魁が目を輝かせてプレゼントのラッピングを解く。
 箱を開け、中に入っている時計を見た瞬間、パッと花が咲いたような笑顔になった。


「うわー、めっちゃカッコいい時計だ。ありがとう!」

「気に入ってくれたみたいでよかった」

「明日から会社につけて行く!」


 実際に魁が手首につけてみると、すごく彼の雰囲気と合っていて、私の想像したとおりだった。
 今日の彼は黒のジャケットを羽織っているから、服装ともマッチしている。
 私が一目惚れした時計だったけれど、やはりこれに決めて正解だった。

 遅ればせながら、私も魁からもらったプレゼントのラッピングを解いていく。
 開ける前から見知ったブランドのロゴが目に入ったので、アクセサリーだと予想はついていたのだが。
 箱の中身を見てみると、プラチナにダイヤモンドがいくつか散りばめられたネックレスが入っていた。


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