全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
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 魁とふたりで年越しをし、お昼になってから初詣に行った。
 ほかのカップルと同じように、手を繋いで境内を歩く。
 どんなに外気が冷たくても、魁の手は心と同じでいつも温かくて、それだけでほっこりした。

 この日は実家に顔を出す予定にしていたので、魁とは別れて私は一旦自宅に戻り、事前に買っておいた手土産の日本酒を持って駅へと向かう。

「俺も一緒に行こうか?」なんて魁が冗談を言っていた。
 いきなり連れて行ったら、うちの家族全員を驚かせることになるからと断ったのだけれど……。
 そのほうが話を切り出す手間も省けるし、魁の良さをわかってもらえて、一石二鳥だったかもしれない。
 あの母が、魁を嫌うわけがないもの。

 今度来るときは魁も連れてこよう、と考えながら実家の玄関を開けた。


「お姉ちゃん、久しぶりだね。明けましておめでとう」


 出迎えたのは妹の京香だった。
 いつもなら子どもたちの声もするはずだが、リビングからはその声が聞こえてこない。


「明けましておめでとう。……京香、ひとり?」

「子どもたちね、見たい映画があるって言うから、パパと三人でさっき出かけたのよ」

「だから静かだったのね」


 リビングの扉を開け、父と母にも年始のあいさつをした。
 持ってきた日本酒を父に手渡せば、「これ、うまいんだよな」とうれしそうにしてくれた。


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