全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
 私の誕生日当日がやってきた。
 車で迎えに来てくれた魁と共に、今日はドライブを兼ねてデートを楽しむ予定だ。


「郁海、誕生日おめでとう」

「ありがとう。お天気、晴れてよかったね」


 まだまだ空気は冷たいものの、暦の上では春なので日差しは確実に暖かくなってきている。
 スプリングコートだと寒いかなと迷ったけれど、今日は雲ひとつない晴天なので、季節先取りで春らしい格好をしてきて正解だ。


「ドライブもいいよな。そう思って郊外のレストランにしたんだ。仕事が休みじゃないと行けないし」


 前を向いてハンドルを握る魁はありえないくらいカッコよくて、見ているとドキドキしてくる。
 左手には今日も私がプレゼントした時計がしっかりとつけられていた。


「公園が見えてきた」

「けっこう大きいね。すごい!」

「池とか噴水もあるらしい」


 駐車場に車を停め、私たちは公園の敷地内を手を繋いで歩いた。
 どこもかしこも綺麗に整備されていて、ゴミひとつ落ちていない。


「来るのがもう少しあとだったら、桜が咲いてたのになぁ」


 桜の木が植わっているのを見つけたけれど、ソメイヨシノだから咲くのはあと半月くらい先で、まだ小さな蕾の状態だった。
 一斉に桜が咲いたら、この公園はさぞ綺麗だろうなと想像を膨らませる。

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