全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
 魁がおもむろに私の左手を取り、薬指に指輪を嵌める。
 その瞬間、高揚する気持ちが頂点に達して、私の目からポロポロと涙がこぼれた。


「俺は全部欲しい。仕事も恋愛も結婚も、どれもあきらめたりしない」


 昔の私なら、それはありえないと思っていただろう。
 全部だなんて欲張りでワガママだ、と。


「魁、私を選んでくれてありがとう」

「それは“イエス”でいいってこと?」

「よろしくお願いします」


 顔を赤らめた魁が照れたように笑い、私の唇を素早く奪った。
 噴水が再び高く上がったようで、水しぶきの音が聞こえてくる。まるで祝福してくれているみたいだ。

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