全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「こんなふうに、ずっと一緒にいような」

「うん。もちろん」

「郁海、俺と結婚してください」


 魁は今、なんて言ったのだろう?
 聞き間違えたのかと思い、視線を彼の顔へ移したと同時に、噴水がひと際高く水しぶきを上げた。


「噴水も俺を応援してくれてるみたいだ」

「魁……今、結婚って……」

「本当はディナーが終わってからプロポーズしようと思ってたんだけど。今したくなった」


 魁がコートのポケットから四角い箱を取り出して、私に中身を見せるように開けた。
 そこにあるのは、キラキラと輝くダイヤモンドの指輪だ。


「断らないでくれよ? 答えはもちろんイエスだよな」


 おどけるような笑みをたたえつつ、魁が強い目力で私の瞳を射貫いた。


「でも私、由華さんと新しく会社を……」

「それはそれ。どんどんやればいい。どちらかを選ばなきゃいけないなんて誰が決めた?」

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