こじらせ処女はイケメン御曹司で生まれ変わる
「平山さんって、凄いんですね。」

そして加藤さんにも、処女だと言う事を言えずに、嘘をつく日々が続くのだ。


「それで?彼氏と別れて半年?そろそろ、男漁りでも始める?」

私は西尾をじーっと見た。

「何?」

「西尾は幸せな女だよ。」

「はあ?」


彼氏募集なら、万年している。

でも、好きだって言えない分、どうしたらいいか分からない。

男性に話しかけた事もないし、食事に誘った事もない。

どうやって皆は、彼氏を作っているんだろう。

こうして私は、気持ちをこじらせながら、処女の記録を塗り替えていくのだ。


「そう言えば今度、新しい人入るみたいよ。」

「新しい人?」

「何でも他社の御曹司らしい。」

「へえ。」

御曹司だなんて、私には縁遠い人だ。

パソコンを見ながら、私は西尾の話を聞き流していた。
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