離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
さっきまでの冷静な姿が嘘のようだ。
「まったく。不意打ちで琴子さんが来たからって慌てすぎですよね。本当に副社長は琴子さんのことになると一気に頼りなくなるんですから」
岩木さんがあきれたように笑い、「琴子さん、行きましょう」と私を会議室のほうへ案内しようとする。
「え、待ってください。忍さんに見つからないように、こっそり見るだけの約束だったのに」
「でももう見つかってしまったんですから、大丈夫ですよ」
「大丈夫じゃないです。忍さん、めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか……!」
私たちのやりとりを、忍さんがものすごい形相で見つめていた。
形だけの妻が勝手に会社にやってくるなんて、図々しいと思っているに違いない。
「あれは怒っているんじゃなく、驚いているんですよ」
私にはどうやっても怒っているように見えるんですけど!
焦る私にお構いなしで、岩木さんは涼しい顔で会議室へと入っていった。
そして女性秘書に「清掃スタッフにカーペットの染み抜きの依頼を」と指示を出す。
女性秘書が頭を下げ会議室を出ると、忍さんは岩木さんに詰め寄った。
「まったく。不意打ちで琴子さんが来たからって慌てすぎですよね。本当に副社長は琴子さんのことになると一気に頼りなくなるんですから」
岩木さんがあきれたように笑い、「琴子さん、行きましょう」と私を会議室のほうへ案内しようとする。
「え、待ってください。忍さんに見つからないように、こっそり見るだけの約束だったのに」
「でももう見つかってしまったんですから、大丈夫ですよ」
「大丈夫じゃないです。忍さん、めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか……!」
私たちのやりとりを、忍さんがものすごい形相で見つめていた。
形だけの妻が勝手に会社にやってくるなんて、図々しいと思っているに違いない。
「あれは怒っているんじゃなく、驚いているんですよ」
私にはどうやっても怒っているように見えるんですけど!
焦る私にお構いなしで、岩木さんは涼しい顔で会議室へと入っていった。
そして女性秘書に「清掃スタッフにカーペットの染み抜きの依頼を」と指示を出す。
女性秘書が頭を下げ会議室を出ると、忍さんは岩木さんに詰め寄った。