離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
「ま、まだわからないんです。急に吐き気を感じて、考えてみたら生理も遅れてて、もしかしたらって思ったら怖くなって……」
「忍さんは知っているんですか?」
千絵さんの問いかけに、私は唇を噛んで首を横に振る。
「知られたくなくて、逃げてきたんです」
「どうして」
「だってもし、おろせって言われたら、どうすればいいの……?」
「言うわけないじゃないですか。あなたたちは夫婦なのに」
そうだよね。
普通の夫婦なら、妻の妊娠はよろこばしいことだ。
だけど、私たちはそうじゃない。
「忍さんには形だけの妻でいてくれればそれでいいって言われたんです。一応新居はあるけど忍さんは帰ってこないし、二年たてば離婚するって」
話を聞いた千絵さんは「そんなことを……!」と声に怒りをにじませる。
「でも仕方ないんです。忍さんは悪くない。私も政略結婚なんて、そんなものだってわかってます」
「どうしてそんな聞き分けがいいんですか! 夫婦なんですから、ちゃんと愛してほしいって言わないと」
「忍さんは知っているんですか?」
千絵さんの問いかけに、私は唇を噛んで首を横に振る。
「知られたくなくて、逃げてきたんです」
「どうして」
「だってもし、おろせって言われたら、どうすればいいの……?」
「言うわけないじゃないですか。あなたたちは夫婦なのに」
そうだよね。
普通の夫婦なら、妻の妊娠はよろこばしいことだ。
だけど、私たちはそうじゃない。
「忍さんには形だけの妻でいてくれればそれでいいって言われたんです。一応新居はあるけど忍さんは帰ってこないし、二年たてば離婚するって」
話を聞いた千絵さんは「そんなことを……!」と声に怒りをにじませる。
「でも仕方ないんです。忍さんは悪くない。私も政略結婚なんて、そんなものだってわかってます」
「どうしてそんな聞き分けがいいんですか! 夫婦なんですから、ちゃんと愛してほしいって言わないと」