そして僕はまた、君に出会える時を待つ

そんな義母の介護のため、僕達は義母の家に泊まりこむことが多くなった。

「雄太さん、ありがとうね」

診察の後、陽の当たる中庭で休もうかと車椅子を押していると、いつものように義母がそう言った。

「いえいえ、いい気分転換ですよ」
「いつも、看護師さんにモテモテだものね」

少し前から僕が付きそうことが多くなったおかげで、僕と義母との距離も以前よりずっと近しいものになり、こういった軽い話題も増えていた。

「ここは60代以上の男性が多いですから、今だけの特権ですね」
「ふふ、今度、加奈子に言っちゃおうかしら」
「あはは。加奈子さんがヤキモチやくかもしれないので、お義母さんと僕だけの秘密にしてください」

軽口を交わし合いながら庭のベンチの横に車椅子を停めると、ふう、と義母が満足げに息をつく。

「……いい天気ね」
「そうですね」

売店で買った紙パックを渡すと、ふいに義母が泣きそうな微笑みを浮かべた。
< 76 / 83 >

この作品をシェア

pagetop