そして僕はまた、君に出会える時を待つ

「本当に……ありがとう、雄太さん」
「え?いつもの売店のジュースですよ?」
「いえ、これのことじゃなくて」

小さく吹き出した義母は、痩せて骨ばった手を伸ばし、屈んだ僕の頭に触れた。

「加奈子と結婚してくれて、家族になってくれて、ありがとう」

初めてのふれあいと言葉に驚き固まる僕の髪を、義母のあたたかな手が、小さな子供にするように優しく撫でる。

「あなたは私の自慢の息子よ。こんなに良くしてくれて……私も加奈子も、幸せ者だわ」

熱くなった目頭を押さえる前に、義母に気づかれた。

「あらあら、泣かないで」

「……すみません」

ぐい、と手のひらで顔をぬぐって、ベンチに腰かける。

「でも、お礼は加奈子さんに言ってもらった方がいいかもしれません。加奈子さんが結婚してくれたおかげで、僕は早川家に来れたので」



それから、2ヶ月後。

容体が急変し、義母は帰らぬ人となった。
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