そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「じゃあ、気を付けて行って来てくださいね」
握っていた両手を僕の背中に回させ、抱き合って。
あたたかな彼女の髪に、唇を押し当てた。
その次の日の、午後。
加奈子さんの通知を見て耳に当てたスマホから聞こえたのは、知らない男性の声だった。
「こちら、○○警察署ですが、早川加奈子さんのご家族の方ですか?」
「はい、そうです」
「先ほど、早川さんが事故に遭われました。病院で……」
そこから数日の、僕の記憶は曖昧だ。
ただ、薄暗い病院の廊下。
医師に告げられた言葉だけは、忘れたくても忘れられない。
「◯月×日△時□分、死亡を確認しました」
あの日、あの場所で。
僕の世界は、色を失った。


