男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
 ほとんどの内容は、セドリックとユリシスが報告し、ヴァン達は軍人らしく姿勢を正して、それぞれが働いた内容をざっと口頭報告する。その間、ルーファスはニコリともせず聞いていて、ラビは室内にピリピリと緊張が満ちるのを感じた。

 幼馴染達が、兄弟同士としてではなく、上司と部下として接している見慣れない様子を見守った。これも仕事だもんなぁと思って、自分に順番が回ってきたらと想像して、どう『報告』しようか考えた。

 そもそも、この数日は色々な事があったし、助けに入った鳥と前の日に会話していた事も言えないだろう。必要最低の報告をしたいのに、どう言葉をまとめればいいのか、考えてもヴァン達みたいに内容を簡潔に語れる自信がない。

 ノエルも、トーリについては口にしていないし、はぶくべきだろうか……?

 でも術具の事だって、彼に教えてもらったのだ。鳥達だって、トーリが助っ人にと連れてきてくれた。そこを語らないなんて選択は、浮かんでこなかった。
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