一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「熱くないか?」
「平気です」
「もっとこっちにおいで」
ぐいっと抱き寄せられて私の体は店長の体に密着する。

「いやだなー離れるの。」
耳元で聞こえる店長の声。
「私も。嫌です。」
私はお腹に回されている店長の手に自分の手を絡めた。

店長はすぐにそんな私の手を握る。
両手を絡めながら、体を寄せ合い、私たちはもうすぐ離れてしまう現実を受け入れようと、ほとんど話をしないで一緒の時間を味わう。

「そろそろあがりますか。荷造りしないと。」
「あー離れたくない」
店長の負担を考えて私が切り出すと、湯船から出ようとした私を店長はぐいっと抱き戻した。
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