一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「夜の作業はいろいろと役割振るのがうまかったのに、朝は極端に下手だな。」
ふと笑う店長の頬にえくぼができてどきどきする。

急に無邪気な子供のようになる店長の表情。

「絶対、麻貴がいるって思ったから来てみたら。ほら。」
店長はそう言ってポケットから何かを出して私に差し出してきた。
「あんぱん?」
「そう。あんぱん。人間、糖分は必須だ。ちゃんと朝飯食べて来たか?」
かなりのイケメンな店長のポケットから出て来たあんぱんに私は思わず吹き出して笑う。
「ありがとうございます。お腹、実はぺこぺこでした。」
自分の支度で必死だった私は朝食は食べていない。
カフェオレを朝食代わりにしただけだ。

「よかった。頑張ろうな。今日も一日。」
店長がふいに私の頭を撫でる。
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