最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
感情の勢いだって事くらいわかってる。わかっているだけに心が抉られるように辛くて、一瞬怯んでしまう。
これだけでもダメージが大きいのに、凪は更に追い打ちを掛けてくる。
「家に帰っても茉莉愛はずっと落ち込んでいたんだ」
何気なく言った言葉だと思う。けれど私には《《そこ》》に引っ掛かってしまった。
「家にって……凪、まさか……彼女と一緒に住んでいるの?」
頭に過ったのは”同棲”の二文字。
まさかそういう意味なのかなって半信半疑だったのに、彼は堂々とハッキリ答える。
「あぁ。俺がアパートを借りて最近一緒に住み始めた」
それは紛れもない事実のよう。
早かれ遅かれ言うつもりだったのか、私を見据える茶色の瞳からは嘘をついている様子は一切伺えない。それどころか『知ってもらって良かった』とでも言いたそうに強い目力を感じる。
つい最近まで私が一緒に住むはずだったのに、いつの間にそんな展開に……? それに付き合ってまだ間もないはず。まるで私の時みたいにならないようにって急いだみたいに早すぎる―――
「それより、どういう事かきちんと説明してくれ」
真実を受け入れる猶予すら与えてくれず、強引に聞き出そうと責めの姿勢を見せてくる。
凪にとって同棲は普通で当たり前の流れなんだと思う。だからそこに深く触れる必要もないって言われている気がした。