優しい風
その時だ。

「はい、そこまでー。
愁。
とっくにタイムリミットは
越えてんぜ。」

「…げ、マジ!?」

「マジだ。帰るぞ。
お前今日無理しすぎ。
顔色めっちゃ悪い。」

「嘘。
無理しないように
頑張ってたのに。」

「だからそれがダメなのさ。
頑張ればから回る。」

「はぁい。」

そう返事して、
俺は高橋にこう言った。

「と言う訳で、高橋。
最後はこんな終わり方に
なっちまったけど、
楽しんではいたぞ。
そこんとこ、
勘違いしないでくれよ。
…じゃ、な。」

俺は高橋に手を振り、
暁兄と歩いて帰った。
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