エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 ちょっと待って、どういうこと? もしかして脱税の疑いがかかっているのは、久次さんの父?

 思わぬ話に再びベンチに座って耳を澄ます。

「もちろん必ず親父を殺した犯人を捕まえてやる。……でもそのために誰かを不幸にはしたくないんだ」

 せつなげに放たれた木嶋さんの声に、心臓がドクンとなる。

 殺されたって……嘘でしょ? それに話しの流れからして、木嶋さんの父を殺したのって……。

 そこまで考えて首を左右に振る。

 ううん、そんなはずがない。そりゃ久次さんの父は女性を軽視しているし、苦手な人ではあるけれど、犯罪に手を染めるような人だとは思いたくない。

「しかし殺人の容疑をかけられない以上、別の案件で逮捕するしか立件するのは難しいぞ? そのためにも円城の本宅に隠していると思われる脱税の証拠が必要だ」

 はっきりと聞こえた決定的な言葉に、思わずガタッと音を立てて立ち上がってしまった。

「誰だっ!」

 厳戒態勢に入った三人は私を見て、目を丸くさせた。
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