エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 卓也もまた父の事件に納得いっていなかったようだ。あれほどの刺し傷を残すくらいなら、それ相当の恨みや妬みを持っているはず。

 その線から当時も捜査線上に上がった容疑者を再捜査したところ、ひとりの怪しい人物が浮上した。

 それが急成長を遂げている美容家電会社社長の円城守(まもる)だった。

 驚くべきことに父とは同い年で、さらには通っていた大学まで一緒だった。父から円城守と友人関係にあるといった話は聞いたことがなく、俺も兄も会った記憶もない。

 しかし調べていくうちに疑惑は高まっていった。円城守は大学時代からすべてにおいて自分よりも父を妬ましく思っていたそう。

 さらに円城守が密かに憧れていたのが、同じ大学に通っていた一歳下の母だったらしい。父に母をとられたことをひどく恨んでいたと当時を知る人から証言を得ていた。

 しかし状況証拠ばかりで、決定的な証拠はなにひとつ出てこなかった。兄への脅迫文も頻繁に届いており、父のように不意を狙われる可能性もある。
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