エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 しかし話し相手がいたほうがいいとも付け加えて言うと、納得してくれたそう。

 生活費に関してはこれまで毎月多くの金額が振り込まれていたから、ほとんど手を付けていない。家賃や光熱費、食費だけいただいていた。

 それも今後は少しずつだけれど返していくと父と決めた。今はできるだけ倹約して、これまでアクセサリーの販売の収入の貯金を切り崩して生活をしている。

「そうか、職業安定所に……。苦労をかけてすまない」

 最近の出来事を報告したものの、父は私が就職活動をはじめたことに心を痛めているようだった。

「お父さんってばもしかして私が嫌々仕事をすると思っている? だったら違うからね。私、本当はずっと働きたいと思っていたの。だから今、すごくワクワクしてる」

「わくわく……そうか」

 私の話を聞いて驚いた顔を見せた後、父はせつなげに目を細めた。

「父さんは本当になにもわかっていなかったんだな。結婚してなに不自由ない暮らしをすることが、紅葉の幸せだとばかり考えていた」
< 152 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop