エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「いや~円城が羨ましくて仕方がないよ。こんなに若くて可愛い子が婚約者でさ」
「おまけにお前の言うことをなんでも聞いてくれるじゃん」
「最高の嫁だな」
そう言って高笑う友人たちに対し、久次さんは満足げにお酒を嗜む。
「養ってやるんだから俺を敬い、支えるのが当然の務めだ。なぁ、紅葉」
「……はい」
必死に笑顔を取り繕って返事をしたものの、心の中は悔しくて惨めでつらい気持ちでいっぱいだった。
今はまだ婚約の身だから彼に呼び出されない限り会うことはない。だけど一年後に結婚したら同じ家に住んで、気の休まらない日々が始まるんだと思うと心のどこかでこのまま結婚してもいいのかと思い悩むことがある。
だけど大学在学中に婚約話が上がり、卒業後も生活費の面倒は見るから働かなくていいと言われ、就職していない私には立て替えてもらった借金を返す術も、療養中の父を養うお金もない。
収入といえば、趣味で始めたハンドメイドアクセサリーのネット販売の収益のみ。それだけでは私ひとり分の生活費にもならない。
だからどんなに久次さんにひどい扱いをされたって、私はただ笑顔で耐えるしかないんだ。
「おまけにお前の言うことをなんでも聞いてくれるじゃん」
「最高の嫁だな」
そう言って高笑う友人たちに対し、久次さんは満足げにお酒を嗜む。
「養ってやるんだから俺を敬い、支えるのが当然の務めだ。なぁ、紅葉」
「……はい」
必死に笑顔を取り繕って返事をしたものの、心の中は悔しくて惨めでつらい気持ちでいっぱいだった。
今はまだ婚約の身だから彼に呼び出されない限り会うことはない。だけど一年後に結婚したら同じ家に住んで、気の休まらない日々が始まるんだと思うと心のどこかでこのまま結婚してもいいのかと思い悩むことがある。
だけど大学在学中に婚約話が上がり、卒業後も生活費の面倒は見るから働かなくていいと言われ、就職していない私には立て替えてもらった借金を返す術も、療養中の父を養うお金もない。
収入といえば、趣味で始めたハンドメイドアクセサリーのネット販売の収益のみ。それだけでは私ひとり分の生活費にもならない。
だからどんなに久次さんにひどい扱いをされたって、私はただ笑顔で耐えるしかないんだ。