忘れさせ屋のドロップス
「有桜ちゃんは?納得してくれた?」 

「……言ったら、泣いた。……泣き疲れて、寝てる」 

 珍しく少しの間、姉貴は黙り込んだ。

「ねぇ……遥、有桜ちゃんに、那月ちゃんのこと話したら?」 

「え?」

「有桜ちゃんに対して、遥がどう思ってるのか、なんでそう思うのか、キチンと話すいい機会かなって思うけど」

 姉貴がマグカップを持ち上げながら、俺をじっと見つめた。

「でも、俺は、もう誰も好きになれない」

「そうやって……結論だすの、早いと思うよ。昨日の遥と有桜ちゃんの、やり取り見てたけど、遥は気付いてる?……有桜ちゃん来てから、前より笑うようになった」

 姉貴が、俺のおでこをツンと指で弾いた。
 

「そんな顔してる位なら、早く帰ってやんな。起きる時と、眠る時は人って誰かに側にいてほしいもんだから」


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