冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす
「あれは、笛吹製粉との縁を繋いでおきたいだけの方便だ。すぐに見つけだすから、婚約破棄は勘弁してくれという意味さ。中安議員は派閥では大物だが、資金面は安定していない。ゆくゆくは総理までのぼりつめたい彼としては、笛吹製粉はいい金蔵だっただろう」
それはまっとうな政治活動費以外にもお金が動いているということだろう。しかし、それなら本当に政略結婚だ。可世さんは婚約が決まったとき、まだ望とは出会っていなかったはず。だけど望と出会って、未来を変えたくなってしまったのだろうか。
「もっとも、望くんと可世がまだ一緒にいるかはわからないけれどな」
「そうなんですよね」
駆け落ちしたふたりが同じ熱量を持って一緒にいるかはわからない。どれほど覚悟を持って、多くの物を捨てても、現実に打ちのめされ離れてしまうことだってあるだろう。
「できれば、望くんも可世も見つかってほしいよ」
「そうですね」
「明日海は望くんにどんな話をしたい?」
私はレモンチューハイを一口ふくみ、うーんと考えた。
「まずは『馬鹿!』って言いたいですね。親不孝をしたのは間違いないので」
豊さんがふふっと笑う。素の笑顔に、私は頬が熱くなった。
「両親、本当に憔悴していたんですよ、あの頃。笛吹製粉との関係がどうなるかもわからなかったし、中安議員の方からは誘拐だと責められて、訴えるとまで言われて」
それはまっとうな政治活動費以外にもお金が動いているということだろう。しかし、それなら本当に政略結婚だ。可世さんは婚約が決まったとき、まだ望とは出会っていなかったはず。だけど望と出会って、未来を変えたくなってしまったのだろうか。
「もっとも、望くんと可世がまだ一緒にいるかはわからないけれどな」
「そうなんですよね」
駆け落ちしたふたりが同じ熱量を持って一緒にいるかはわからない。どれほど覚悟を持って、多くの物を捨てても、現実に打ちのめされ離れてしまうことだってあるだろう。
「できれば、望くんも可世も見つかってほしいよ」
「そうですね」
「明日海は望くんにどんな話をしたい?」
私はレモンチューハイを一口ふくみ、うーんと考えた。
「まずは『馬鹿!』って言いたいですね。親不孝をしたのは間違いないので」
豊さんがふふっと笑う。素の笑顔に、私は頬が熱くなった。
「両親、本当に憔悴していたんですよ、あの頃。笛吹製粉との関係がどうなるかもわからなかったし、中安議員の方からは誘拐だと責められて、訴えるとまで言われて」