*結ばれない手* ―夏―

[6]ミニスカートと彼の出生

「あらっ、なかなかいいんじゃない? 見違えたわね!」

 それから三十分ほどしてハイ・ティーン用のショップに連れられたモモは、数回着せ替え人形の真似事をさせられた結果、淡いビタミンカラーのチェックのシャツに、デニム生地のミニスカートを絶賛された。

「あの……ちょっと短過ぎるのでは……」

 普段のジャージやジーパンでさえも、膝どころか(すね)すら出したことがない。

 春にあの双子姉妹が選んでくれたクロップド・パンツも、腰かけなければ膝が隠れる程度だった。

「そうかしら? ブランコ乗りなんて女性でも筋肉ムキムキなのかと思ったらそうでもないし、綺麗な脚をしてるんだからもったいないわよ」

 ──何がもったいないのだろう……。

 買ってもらうのだから余り文句は言えないな、と感じながらも、ついぞそんなことを思ってしまった。

 それでも杏奈の美しいスタイルを見たら、それを見せないのはもったいないというのも納得がいく。

 彼女は細身ではあるが女性としてあるべき所はあり、締まるべき所は締まり、もしかしたらどこぞの有名モデルなのでは? と疑いたくなるほど、通りすがりの男性の目を釘付けにしていた。


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