素敵な天使のいる夜にー4th storyー
ーside 大翔ー
教室を出ると、沙奈は俺の隣をゆっくり歩いていた。
一ヶ月ぶりの大学。
慣れない環境。
まだ体力も戻りきっていない。
それでも今日一日、よく頑張った。
なんとか、1日を乗り切れた。
それだけでよかったはずなのに…
絢翔との沙奈に向けた視線を見たら耐えきれなかった。
「疲れたか?」
「少しだけ。でも、楽しかった。」
その笑顔に自然と頬が緩む。
「そうか。」
本当に良かった。
こうして、また笑って大学へ通える日が来るなんて、一ヶ月前の病室では想像もできなかった。
エレベーターを降り、駐車場へ向かう。
「なぁ、沙奈。絢翔はどうだった?」
「えっ?どうだったって…」
俺の大人気ない問いかけに、少しだけ戸惑いながらも沙奈は言葉を続けてくれた。
「…困った時に、フォローに回ってくれたり、さっきも私が目眩がした時も咄嗟に支えてくれた…
優しい人だなって思ったけど…それだけだよ。」
その言葉に、胸の奥が小さく疼いた。
分かっている。
絢翔は昔から面倒見がいい。
誰にでも優しいから、困ってる人がいたら咄嗟に手を差し伸べられる子だ。
だから沙奈に特別なことをしたわけじゃない。
……そう思おうとした。
でも。
教室で見た光景が頭から離れない。
沙奈を支える絢翔。
心配そうな表情の中に、特別な感情が見えた。
そして、沙奈が向けた柔らかな笑顔。
「…大翔先生?どうかしたの…?」
「…いや。帰ろうか。」
助手席の扉を開け、沙奈が座席に座ったことを確認してから運転席へ乗り込んだ。
それからゆっくりと車を走らせる。
「…大翔先生?」
「ん?」
「様子がおかしいよ。私、何かしたなら…」
沙奈が心配そうに覗き込む。
そんな切ない表情を見ると、胸が少しだけ痛くなる。
こんな顔をさせたいわけではないのに…
「…ごめん、沙奈。」
「…えっ?」
呆れられるかもしれない。
大人気ないと思われるかもしれないけど…
少しだけ迷ってから、言葉を続けた。
「…大人気なかった…」
「えっ?」
「沙奈に距離を詰めようとしていた絢翔に妬いたんだ…」
車内が静まり返る。
「…大翔先生が?」
「…なぁ、俺のわがまま聞いてくれるか?」
「…はい。」
「…俺のこと大翔って呼んでほしい。」
「…どうして…」
沙奈は、一瞬だけ戸惑いを見せた後に優しく微笑む。
「…はい。」
その優しい笑顔に、張りつめられた緊張の糸がゆっくりと解けた。
教室を出ると、沙奈は俺の隣をゆっくり歩いていた。
一ヶ月ぶりの大学。
慣れない環境。
まだ体力も戻りきっていない。
それでも今日一日、よく頑張った。
なんとか、1日を乗り切れた。
それだけでよかったはずなのに…
絢翔との沙奈に向けた視線を見たら耐えきれなかった。
「疲れたか?」
「少しだけ。でも、楽しかった。」
その笑顔に自然と頬が緩む。
「そうか。」
本当に良かった。
こうして、また笑って大学へ通える日が来るなんて、一ヶ月前の病室では想像もできなかった。
エレベーターを降り、駐車場へ向かう。
「なぁ、沙奈。絢翔はどうだった?」
「えっ?どうだったって…」
俺の大人気ない問いかけに、少しだけ戸惑いながらも沙奈は言葉を続けてくれた。
「…困った時に、フォローに回ってくれたり、さっきも私が目眩がした時も咄嗟に支えてくれた…
優しい人だなって思ったけど…それだけだよ。」
その言葉に、胸の奥が小さく疼いた。
分かっている。
絢翔は昔から面倒見がいい。
誰にでも優しいから、困ってる人がいたら咄嗟に手を差し伸べられる子だ。
だから沙奈に特別なことをしたわけじゃない。
……そう思おうとした。
でも。
教室で見た光景が頭から離れない。
沙奈を支える絢翔。
心配そうな表情の中に、特別な感情が見えた。
そして、沙奈が向けた柔らかな笑顔。
「…大翔先生?どうかしたの…?」
「…いや。帰ろうか。」
助手席の扉を開け、沙奈が座席に座ったことを確認してから運転席へ乗り込んだ。
それからゆっくりと車を走らせる。
「…大翔先生?」
「ん?」
「様子がおかしいよ。私、何かしたなら…」
沙奈が心配そうに覗き込む。
そんな切ない表情を見ると、胸が少しだけ痛くなる。
こんな顔をさせたいわけではないのに…
「…ごめん、沙奈。」
「…えっ?」
呆れられるかもしれない。
大人気ないと思われるかもしれないけど…
少しだけ迷ってから、言葉を続けた。
「…大人気なかった…」
「えっ?」
「沙奈に距離を詰めようとしていた絢翔に妬いたんだ…」
車内が静まり返る。
「…大翔先生が?」
「…なぁ、俺のわがまま聞いてくれるか?」
「…はい。」
「…俺のこと大翔って呼んでほしい。」
「…どうして…」
沙奈は、一瞬だけ戸惑いを見せた後に優しく微笑む。
「…はい。」
その優しい笑顔に、張りつめられた緊張の糸がゆっくりと解けた。