幼馴染が××すぎる。
幼馴染が辛すぎる。



「ゴホッ、ゲッホォ…っ、辛!」





私は静まり返る家でひとり、自ら作った激辛冷麺を口に含んで悶絶している。



辛い。

辛味パウダーを入れすぎた。

いや、辛い。やばい。



足をバタつかせながらクーラーの温度を下げて、吹き出る汗を拭う。



辛いものが苦手なキヤのために我慢していた好物を作ったのはいいけど、

やけくそで辛味を入れすぎてしまった。

これはあまりにも辛い。体に悪い。


「ケホッ…。」


喉を押さえながら見上げた時計は、18時半を示している。



…今頃2人もご飯食べてるかな。

キヤもあー見えて、いざという時緊張しまくるチキンだから

お互い緊張してうまく話せなさそうだな。







私は勢いよく冷麺をすする。



「…ッ、カハッ、ゲホッゲホォ!」






ーーー『あのね…私、木屋谷くんのこと、き、気になってて』






私は鼻を啜りながら、顔をグチャグチャにしながら冷麺をすする。






ーーー『姫と付き合ったらBLだな!』






「ゲッホ……、」






私の汗なのか、涙なのかわからない汁が机にポタ、と落ちた。






「辛……。」










ガチャ。










ガチャ…?






「ただいまー」







は?






私はバッと時計を見上げる。


18時31分。





「…は?」




ガチャ、とリビングのドアが開く。

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