オトメの魔法
会話の出来る不思議なうさぎの恩返し!

とても驚いたけれど,女の子は好奇心にかられるまま,そのうさぎについていきました。

ーこんなお話,ずっと前に読んだことがあるわ! 夢見たい!

『ふふっそう。それは良かった』

うさぎがとんっと前足をならすと,辺り一面,森の中。

ーわぁっすごい! でもこれ,ちゃんと帰れるのかしら。

『もちろんよ』

にこりと笑ったうさぎに,女の子は安心します。

『ねぇっ,王子と言ったら白馬よね?』

ーもちろん!

『オーケー,まかせなさい!』

くるりと回ったうさぎ。

ぴょんっと跳ねると,風で沢山の葉っぱが女の子の周りを舞いました。

ーきゃあっ!?

さっと散った時,もう不思議なうさぎはいませんでした。
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