プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
エンジンをかけながら、田所が説明してくれた。

「花卉(かき)農家の老夫婦がやっている小さな薔薇園なんですけど、手入れが行き届いてるんでなかなか見応えありますよ」

「さすが、実家が花屋さんってだけあるわね」

「そうっすね。地元でもあんまり知られてないかも。でも、結構デートに使うやつもいますけど」

「へえ。あっ、そうか。じゃあ、今日はデートの下見?」

「違いますよ。そんなんじゃないです。第一、そんな相手いないし」

「そんなことないでしょう。たぶん、誘ってほしいなって思っている人はいるんじゃない?」
 
 例えば、さっきの子、きっとデートの誘いを待ってると思うけどな。

 田所が本当に親せきの子か何かだったら、お節介にアドバイスしていただろうけど、さすがにそれは口にしなかった。
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