プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
「大丈夫だそうです。SNSに上げて宣伝してくれって、逆に頼まれちゃいました」

「ありがとう。入り口で訊けば良かったんだけど」

「お安い御用ですって、そのぐらい。もっと何でも言いつけてもらってもいいっすよ」

 田所は、執事かなにかように、うやうやしく一礼して、それから悪戯っぽく笑った。


 薔薇園自体は狭いので10分ほどですべて見ることができた。

 白い薔薇は清楚で、ピンクの薔薇は可憐で、どれも美しかったが、ひときわ目を惹いたのは、やはり真紅の薔薇だった。

 札に書かれた名はパパ・メイアン。
 花びらは艶やかで、香りは濃厚。

「きれい……ただの赤じゃなくて、少し黒味がかった深い色で」

「俺もその花が一番好きかな。ベタですけど、やっぱ薔薇は赤がいいですね」

「本当、そうよね」
< 32 / 88 >

この作品をシェア

pagetop