プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
「ちょっと座りませんか?」
 危険を察知したのか、田所があずま屋を指さした。

 黄色いツルバラの周りを、羽音を立ててミツバチが飛び回っている。

 ベンチの上には木漏れ日が複雑な模様を描いている。

 この町に仕事で来ていることをつい忘れてしまう。

「赤い薔薇の花言葉って、知ってます?」

 斜向かいに座ったとたん、田所が話し始めた。

「ううん。そういうの、詳しくなくて」

「まあ、いろいろあるんですけど、代表的なのは、『情熱』とか『愛情』とか『美』かな」

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