プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
「じゃあ、なんで、いっつもそんな寂しそうな目をしてるんだよ。俺、ずっと不思議だった。杏子さん、バリバリ仕事してるし、綺麗だし、人が欲しがるもの全部持ってそうなのに、なんで満ち足りた顔をしてないのかって。俺だったら、あなたにそんな顔、絶対させない。こんなにあなたのことが好きなのに、それなのに、他の女とくっつけば、なんて言うし」

 田所は興奮した様子でまた昨夜のことを蒸し返す。

 つられてわたしも大きな声を出していた。

「だって、そのほうがいいと思ったから……わたし、あなたより10歳も年上なのよ。もう女として下り坂なの。誰が考えたって、彼女のほうがあなたにふさわしいじゃない! だから、あなたのためを思って」

「歳なんて関係ない! それに、ふさわしいか、ふさわしくないかなんて、勝手に決めないでくれよ!」

 そうして言い合っているうちに、本音が丸出しになっていたことに、うかつにも、わたしはまだ気づいていなかった。
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