花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
桜を見ながらそんな話をしていたら酔いがかなり回っているのか花音の足がふらついて……。
「あっ!」と叫んで転びそうになった彼女を慌てて抱きかかえた。
「だからそんなヒールの高い靴履いてると危ないって言っただろ?」
少し呆れながら再度指摘すると、彼女が小声で言い返した。
「ちょっと酔ってるだけです」
彼女は結構意地っ張りなところがあるようだ。
だが、このまま歩くとまた転けそう。
そう考えて、彼女をおんぶした。
最初は戸惑っていて拒否されたが、有無を言わせず俺の背中に乗せた。
「お邪魔します。重いですよ、私」
花音にそう言われたが、あまりに軽くて心配になった。
高校の時に騎馬戦で同級生を担いだことがあったが、男子だってこともあって彼女の二倍の重さはあったように思う。
「軽過ぎ。今日のステーキ、倍食べてもいいくらいだよ」
しばらくおんぶして歩くが、彼女がなにも話さないので声をかける。
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