花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
ひょっとしたらお客さんがいないのは彼が貸し切りにしてくれたからなのかもしれない。
シャンパンをゴクッと口にするととても美味しかった。
「飲みやすくてボトル一本飲んじゃいそう。えへへ」
「すでに酔ってない?」
「雰囲気には酔ってますよ。だって、蓮と一緒に南国でこんなロマンチックな夜過ごしてるし」
一年前だったら信じられなかっただろうな。
こんな優しくて素敵な男性と付き合うなんて。
「今日はまだ酔わないでね」
彼にやんわり注意されて、「はい。気をつけます」と返事をする。
炙りホタテ、シーバスのグリル、海老とオルゾパスタのリゾットなどの美味しいシーフード料理に舌鼓を打ち、デザートのカシスシャーベットを食べ終わると、彼が真っ直ぐに見つめてきて私の名前を呼んだ。
「花音」
甘いテノール調のその声。
なんだろう?
いつもとなにかが違う。
「ん?なに?」
少し首を傾げて聞き返したら、蓮がズボンのポケットから深緑の小さな箱を取り出した。
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