花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
会ったこともなかった私を本当の妹や娘のようにかわいがってくれた。
【ありがと。浩ちゃんもお仕事頑張って】
そうメッセージを打ったが、既読はつかなかった。
診察でもしてるかな?
私の心配はいいから患者さんの心配をしてね。
クスッと笑ってサクサクとメールの処理を進める。
浩ちゃんや岡本さんにもらったチョコのお陰でちょっと元気になった。
「さあて、今日もしっかり仕事しよう」
パチンと頬を叩くと、デスクワークに集中した。
その後打ち合わせに参加してからラボに行くが、岡本さんの姿はない。
「岡本さん、帰ったんですか?」
顕微鏡を見ていたプロジェクトリーダーの佐々木充さんに尋ねたら、「ああ。なんか本社に行くって言って十分くらい前にここを出ていったよ」と返された。
白髪交じりの髪に柔和な顔をした佐々木さんは、四十五歳でうちの部ではベテランの研究員。三歳の娘さんがいるよきパパだ。お昼休みによくかわいいお嬢さんの写真を見せてくれる。
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