花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
打った頭を手で押さえながら岡本さんに平謝りした。
「勝手とは思いましたが、アラームは僕が解除しました。疲れた顔をしていたので」
「本当にすみません。岡本さんだって仕事あるのに」
ああ、なにをやってるんだろう。
「気にしないでください。僕もいい休憩になりましたから。一之瀬さん、藤森さん送ってあげてください。もう十時過ぎてて暗いので」
岡本さんが私を気遣うが、笑顔を作って断った。
「いえ、大丈夫です。近くですから」
部長に送ってもらうなんて畏れ多い。
ひとりで帰れるアピールをしたのだが、一之瀬さんも私が心配だったようで、肩をポンと叩かれた。
「藤森さん、送っていくよ。最近痴漢も出るって話だし」
「すみません。すぐに片付けますから」
恥ずかしくてまともにふたりの顔が見られない。
涎とか垂らしてないよね。
あたふたしながら自席に戻ろうとしたら、岡本さんに呼び止められた。
「藤森さん、スマホ忘れてますよ」
「わー、すみません」
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