ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 * * *

 瘴気を浄化できる人物がもうひとり現れたと聞いたのは、ヴィニーシアに婚約破棄を叩きつける一週間前のことだった。

「ジュスラン殿下、私、殿下のお役に立てます。姉よりずっと」

 なんて、目を潤ませながら言ってきたのは、ジェルトルーデ。聖女の祠にいるヴィニーシアの妹である。
 緩やかなカーブを描き、腰まで流れ落ちる銀色の髪。うっとりとジュスランを見つめる青い瞳。その瞳は、彼の愛を乞うかのように潤んでいた。
 艶やかで口づけを誘うように薄く開いた唇。整った美貌の持ち主だ。
 胸元が丸見えになるほど大きく開いたドレスは、目を楽しませてくれる。
 押しつけられた婚約者より、妹の方がずっと美しかった。

「姉より役に立てる? 本当か?」
「ええ、私はそれを証明してみせますわ。瘴気の浄化をしてご覧に入れましょう」
「わかった」

 馬には乗れないと言うから、ジェルトルーデのために王宮の馬車を用意した。そして、向かったのは王都から半日ほど行った場所にある瘴気の発生場所である。
 瘴気が発生したら、すぐさま浄化しなければならない。
 瘴気のたまった場所には、どんどん瘴気が集まってくるからだ。そして、一定の濃度をこえると、瘴気から魔物が発生することになる。
 魔物の出現を抑えるために結界を張っているはずなのだが、時々結界の内側に瘴気が発生してしまう。これを聖人や聖女の力で浄化するのだ。
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