ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「――まあ」

 瘴気を見たとたん、ジェルトルーデは口に手を当てた。見るもおぞましいといった様子だ。

「難しいか? 無理なら無理と言ってくれてかまわない。この程度の瘴気なら、アレに祓うことができる。祓うというより、取り込んで祓ったという言い方をしてごまかしているという方が正解だがな」

 アレという見下げた言い方をしたのは、婚約者であるヴィニーシアのことだった。女神のようなジェルトルーデと比べたら、ヴィニーシアなんてアレでちょうどいい。

(最初は、アレの容姿も悪くなかったんだがな――瘴気の浄化であんな醜くなるだなんて、詐欺のようなものだ)

 ヴィニーシアは、現在最高の聖女と言われている。いや、王宮も神殿もそう喧伝してきた。
 聖女の祠で暮らすのにふさわしい聖女がいないというのは問題であったし、そもそも瘴気を浄化する能力はヴィニーシアが最も優れていたのだ。
 だが、ヴィニーシアがやっているのは瘴気を祓うことではなく、瘴気を自分の身に取り込むこと。
 自分の力では浄化できない瘴気をその身に受け続け、髪も瞳も黒く染まってしまったヴィニーシア。まともに瘴気を浄化できない女を聖女として扱うなんてどうかしている。
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