ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
時には遠い貴族の領地に出かけ、瘴気を祓うこともあった。そうなると、領地を助けてもらった貴族もまた、ヴィニーシアを誉めることになる。
それが、どうしようもなくジェルトルーデを苛立たせた。瘴気を祓う力は、ジェルトルーデには授けられなかったから。

(偽の聖女のくせに腹立たしい……!)

 ずっとそう思っていた。
 聖女は瘴気を浄化するもの。体内に飲み込んだまま、浄化したと言い張るヴィニーシアは偽物の聖女だ。
 目も髪も黒く染まっているのに、自分は呪われているわけではないと言い張って。その様がとても滑稽だとジェルトルーデは思っていた。

「ジュスラン様、瘴気の発生場所まではどのくらいかかりますの?」

 偽物聖女が、王太子妃の地位に就くのは許せなかった。
 だって、王太子妃となれば、未来の王妃。この国最高の女性の地位に、偽物がつくなんてあり得ない。

「あと十分ほどだと思う。期待しているよ、愛しいジェルトルーデ」
「お任せください、殿下」

 瘴気を祓う力が目覚めた時、すぐに両親に報告した。姉より自分を可愛がってくれた両親なら喜んでくれるだろうと思った。
 その目論見は功を奏し、目障りなヴィニーシアは隣国に追いやられることになった。
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