ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 もしかしたら、術者は王宮の外からやってきて、呪いをかけてから抜け出しているのかもしれない。

「ご褒美はいりません。ありがとうございますと陛下に伝えてくださいな」
「まあ、無理強いもできないしな」

 シアが言えば、しぶしぶ納得した様子で組合長はうなずく。

「本当にいいのかい? 金貨がもらえたかもよ」
「別に。自分の食い扶持ぐらい、自分で稼いでるもの」

 これは嘘ではない。なにしろ、生活費はほとんどかかっていない。

(……送られてきたお金は、ちゃんと返すつもりだし)

 これで王宮に呼ばれることはないだろうと思っていたけれど、事態はシアの予測を大きく変える方向に動き始めていた。

 その次の日。ベラの店を訪れたら、ちょいちょいと手招きされた。

「どうしました?」
「三階に行ってごらん」

 三階? と首を傾げながらも、ベラの言葉に従って階段を上る。ベラの店は、一階がポーション屋の店舗と倉庫、二階には予備倉庫――一階の倉庫に入りきらなかった分や素材を置く――ともう一部屋。そして、三階があるが、三階は普段使われていない。
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