ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 たとえば、祠の裏で育てている薬草を、どこでどうやったのかお金に換えてきたりとか。
 そのお金で、乏しい食料を補ったり、時にはお菓子を作ってくれたり。
 聖女の衣が破れたら繕ってくれることもある。
 シアは、勝手に祠を離れるわけにはいかなかったから、マルがそうやっていろいろと働いてくれたおかげでずいぶん助けられてきた。

「ありがとー!」

 今、マルが考えていることもわかる気がする。
 たぶん、夜中にこっそり抜け出して遊びに行こうと言うのだろう。だから、悪い顔をしている。

「だってさ、君は今までつらい人生を送ってきたから、少しくらい楽しみがあってもいいと思うんだよ」
「ありがとう、マル! 大好き! 実は私もそうするつもりだった!」

 家族はいないと思っていたけれど、マルがシアの家族なのかもしれない。いや、マルだけがシアの家族だ。
 もう元家族やジュスランの姿を見る心配はないと判断してから、シアは窓の外に目を向けた。
 馬車の窓から、外を流れる景色を眺めてみる。
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