ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 どこに隠し持っていたのかわからないけれど、マルは手持ちの布とジェルトルーデが投げてよこしたドレスを組み合わせて、可愛い洋服を作ってくれていた。
 白いブラウスに、ドレスのスカートを再利用して作ったスカート。胸にはスカートと同じリボンをつけるようになっている。それにベストを重ねれば、まるで別人のように見えた。

「夜なら、シアの髪の色も目立たないと思うんだよね」

 黒い髪は呪われているという理由で、嫌う人が多い。けれど、茶色の髪ならば、庶民には多く見られる。夜の闇の中では、シアの髪もきっと目立たない。

「でも、どうやって出よう?」
「窓から?」

 おやすみなさいと言っているので、護衛の騎士がシアの部屋をのぞくことはない。身体能力には自信がある。二階の窓から脱走するのくらいお手のものだ。

「そうね、窓から出ようか。戻れるかどうかはちょっと自信ないけど」
「それは僕に任せてもらえれば」

 マルがそう言うのなら、ちゃんと帰ってこられるに決まっている。マルに対するシアの信頼は絶大である。
 マルの用意してくれた服に着替えたシアは、まんまと脱走に成功した。
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