ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 宿場町は、夜も人の行き来が多かった。広場には屋台が出され、多数の人ができたての料理に舌鼓を打っている。

「ねえ、シア。逃げる気はないの?」
「うーん、その選択肢はないのよね。だって、私が逃げたら国際問題に発展じゃない?」
「気にしないと思うけど」

 なんて、人波から少し離れたところでマルと会話しているシアの手にあるのは、じゅうじゅうと網の上で焼かれた肉である。
 塩胡椒がぴりりときいていて、噛むとじゅわあっと口の中に肉汁が広がる。おいしい。夕食もしっかり食べたあとだが、聖女の食事ということで野菜中心のものだった。

「んー、お肉食べるの久しぶり……!」
「僕が、狩りもできればよかったんだけど……」

 そこまでマルに期待するのは、ちょっと違う気がする。これは魔物化した牛の肉だそうで、普通の牛肉より美味だと屋台の店主が教えてくれた。

「ん、おいしい、おいしい!」

 思わず頬に手を当てて唸る。隣国に行っても魔物肉を食べる機会があればいいのだが。
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