ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 ヨアキムの言葉に、エヴァンドロはますます不機嫌になっただけだった。
 こちらには顔を見せようとしないから、彼がどんな顔をしているのかもよくわからない。

「あのぅ」

 嫌なことはさっさと済ませてしまおうとシアは手を上げた。ヨアキムがぱっとこちらに目を向ける。

「私と陛下が話しているところですが?」
「それはわかってますけど。私、国に帰れないんですよ。帰ったら殺されちゃう――王妃として送られたのに役目を果たさないんだったら、いらない子でしょう?」
「だから、陛下と結婚すると」
「しませんよ!」

 強いシアの口調に、ヨアキムは気をそがれたような表情になった。エヴァンドロはそもそも興味すら示していないが、一応、こちらの話を聞いてくれる気にはなっただろうか。

「実家も私のことはいらないって言ってたので、追い出されちゃうと思うんですね。そうなるとあとは野垂れ死ぬしかないんですよ。野垂れ死に。まだ十八なのに野垂れ死にです」
「野垂れ死にを連呼するな!」

 意外とヨアキムはノリがいいらしい。それはもうすさまじい勢いで突っ込んできた。

「私も結婚とかはどうでもいいんで――」
< 33 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop