ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
シアがこの国を去れば魔物が押し寄せてくることになるだろうが、あの人達はそれがわかっているのだろうか。
(まあいいけど)
ジェルトルーデが『本物の聖女』ならば、彼女が祈りを捧げればいい。
「私の嫁入り先まで決めてきてくれるなんて、本当、今回はいつもとは違うわよね」
くるりとベッドの上でうつぶせになり、つま先をバタバタ。行儀悪いがかまわない。ここにはシアと謎の生き物しかいない。
「でも、寂しいな。そうなったら、マルとはお別れでしょう?」
名を呼ばれ、枕を占領していたマルと呼ばれた生き物は、よいしょと起き上がった。
背中には白い羽根が生えていて、ハムスターではないと一目でわかる。そもそもしゃべっている段階でいろいろおかしいけれど。
「なんで? 僕は、シアと一緒に行くけど」
「だって、マルは家妖精よね? だから、ここに残るんでしょう?」
家妖精とは、家を守る者だ。
なにもわかってないな、と言いたそうにマルは首をぶんぶんと横に振った。
「だって、ここは聖女の祠で、マルは聖女のお世話をするためにここにいるんでしょう?」
(まあいいけど)
ジェルトルーデが『本物の聖女』ならば、彼女が祈りを捧げればいい。
「私の嫁入り先まで決めてきてくれるなんて、本当、今回はいつもとは違うわよね」
くるりとベッドの上でうつぶせになり、つま先をバタバタ。行儀悪いがかまわない。ここにはシアと謎の生き物しかいない。
「でも、寂しいな。そうなったら、マルとはお別れでしょう?」
名を呼ばれ、枕を占領していたマルと呼ばれた生き物は、よいしょと起き上がった。
背中には白い羽根が生えていて、ハムスターではないと一目でわかる。そもそもしゃべっている段階でいろいろおかしいけれど。
「なんで? 僕は、シアと一緒に行くけど」
「だって、マルは家妖精よね? だから、ここに残るんでしょう?」
家妖精とは、家を守る者だ。
なにもわかってないな、と言いたそうにマルは首をぶんぶんと横に振った。
「だって、ここは聖女の祠で、マルは聖女のお世話をするためにここにいるんでしょう?」