ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「見てもらいたいものがあってさ、旦那さんに店番してもらえないかな」
「旦那はいないけど――シア、ちょっと頼める?」
「もちろん!」

 ベラには世話になっているし、店番くらいたいしたことはない。シアがうなずくと、安心した様子でベラは外に出ていった。

「シアは店番できるの?」

 肩からカウンターの上に飛び降りたマルがたずねる。

「できるわよ、店番くらい。ベラさんには、お世話になっているしね」

 なにしろ、初めてポーションを売りに出た時、だまされそうになったシアを助けてくれたのがベラだ。継続して仕事があるのもベラのおかげだし、店番くらいはしてもいい。

「シアがそれでいいなら、いいけどさ」

 マルは、カウンターの上でよいしょと座り直す。
 なにも知らない人が見たら、真っ白なハムスターとしか思えないだろう。
 赤いくりくりとした目を瞬かせ、マルはふんふんとカウンターの上に置かれている薬草の香りをかぎ始めた。

「なにやってるの?」
「うん、なんとなく……いい香りだなと思って」
「そうね。これ、ベルニアの花でしょう? 腹痛に効く薬を作れるんだったわよね」

 ポーション職人を名乗っているくせに、シアの知識は、ところどころあいまいである。

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