ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「ねえ、マル。帰りに、本屋に寄って帰るのはどう?」

 なにしろ、シアは水さえあれば、『えーい』の一言で思うポーションを作ることができてしまう。
 ポーションは職人によってレシピが多少違うとはいえ、なにも知らないと言うのも問題だろう。今も、ベラが深く追求してきたらまずかった。
 本屋でポーションの素材について書かれている本を買って勉強するのもいいかもしれない。
 幸いなことに、ポーションの売却料金だけで、シアひとりの生活は――シアとマルふたりの生活は十分支えることができている。
 エヴァンドロから支給される生活費は、まったく手付かずで大丈夫なほどだ。これは、いずれ離宮を出る時に返そうと思って、そのまま残してある。

「君がそうしたいなら、付き合うよ」

 チリンというベルの音がして、マルは口を閉じる。シアは顔を上げた。
 ベラが帰ってきたのかと思ったら、入ってきたのは、二十代前半と思われる青年だった。
 腰には剣、革の鎧。ということは、冒険者か。明るい茶色の髪に、緑色の瞳。顔立ちは整っているし、背も高いし、なにより優しそうで、女性にもてそうな雰囲気だ。
 シアがカウンターの中にいるのを見て、青年は眉を上げた。

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