ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「裏が畑って、食事が足りていないのか?」
「いえ、そういうわけじゃなくて。育てるのが楽しいらしいですよ――やめさせます? あとただ飯食らうのは気が引ける――とおっしゃっているそうです」

 ヨアキムは暗にやめさせたいのだろう。ヴィニーシアがこの国に来た経緯も、彼としては許しがたいはず。
 二度とはいえ、瘴気の浄化もしてもらっているのだからただ飯ぐらいというわけではないのに。

「別に、庭園すべてを菜園にしようとしているわけでもないだろう。俺の代では使うあてもない場所だ。好きにしてもらえ」

 シアが滞在している離宮は、王が特に親しい友を滞在させるのに使われることが多い。人目につかない場所にあることから、過去には愛人を住まわせていた国王もいたそうだ。
 いつ呪いが伝染するかわからないから、親しい友を離宮に滞在させる予定はない。結婚するつもりもないし、愛人を作るつもりもない。
 ヨアキムが側にいるのは、どうしても離れてくれなかったのでエドが折れただけのことである。
 国にいた頃は家族に疎まれていたという話も聞いているし、そもそもこの国に来る前に婚約破棄されている。傷ついているのだろうから、好きなように生きてもらえばいい。
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